サンプル記事⑤:ベトナム進出企業「AGS」

企業: A.I.GLOBAL SUN PARTNERS JSC (略称:AGS)   

回答者: 石川幸ディレクター   

インタビュー日: 2010年12月28日   

Mr.Ishikawa


御社について教えて下さい。   

現在のAGS(ホーチミン支店)のサービスは、主に日系企業を対象にしたもので、(1)ベトナムへの進出支援(駐在員事務所や現地法人の設立=投資ライセンスの取得、変更・追加等や各種市場調査など)、(2)ベトナム進出後の会計・経理・税務・監査・労務・法務、(3)ベトナムに関するコンサルティング(M&A や財務DD、不動産や事業投資に関するストラクチャリングなど)となっております。日本企業様からみて、進出時に進出だけの相談・アドバイスにだけでなく進出後の運営の観点も加味して、安心・安全で合理的なアドバイスを心掛けております。また、グローバルな案件にも対応できる法律事務所とも提携するなどホーチミン市における各種専門家ネットワークも構築し、スムーズなプロフェショナル・ファームを目指しております。

2010年はホーチミン市に常駐し(私自身は現地にコミットメントした上で業務遂行を心掛けています)、100社以上の日系企業様とご相談をさせて頂きました。お客様も順調に拡大して約50社、スタッフは10名ほどとなっております。

2008年に創業したAGSですが、2007年からの事業調査ではいろいろと生みの苦しみがありました。また当初はいろいろと壁にぶつかりました。まず目の当たりになったのは、Equity Fundで事業判断をしていた頃とは大きな外部環境が相違することでした。具体的な数字や客観的な根拠が少なく、また情報もしばしば混迷していました。ただ、潜在的なお客様の声として私にサポートして貰いたいという声もありました。そして、自分自身が体験した苦い経験も寄与して、日本企業(特に中堅・中小企業)のベトナム進出について貢献したいという意義にもつながりました。

Staff


ベトナム進出の経緯を教えて下さい。

小職略歴は元銀行員(1992年から2005年までみずほフィナンシャルグループに在籍)で、後半6年間は様々な投資銀行業務に従事しました。その中で、M&Aや事業投資ファンドを通じて多くの経営者との出会いがありました。職務としては冷静な判断も必要でありますが、融資とは異なり、ビジネスモデルや経営方針についてなど真剣に経営者の方と熱く議論をする機会も多くありました。その結果、私はサラリーマンとしてビジネス・キャリアに終止符を打ち、経営者になるという目標に向けて舵を切りました。2005年から2008年には、私の経営観を涵養して頂いた田口社長(金型商社のミスミ創業者)や慶應ビジネススクール(以下、KBSという)で多くの新しい出会いがありました。そして、KBS在学中にベトナムに出会うことがきっかけとなり、「AGSを創業する(経営に従事する)」ということにつながりました。


ベトナムの住環境や娯楽はいかがですか?

私はホーチミン市に常駐しながら、2ヶ月に一度程度は東京へ出張しております。進出検討中の見込顧客からメールでの問い合わせ、進出済のお客様からの会計や税務に関するご相談など、毎日が慌ただしく過ぎております。そんな環境でもあり、2010年には家族もホーチミン市に呼んで、日曜くらいは家族と過ごす時間を大切にしております。様々な社会インフラ(学校や病院など)も日本ほど充実しておりませんが、個々に検討してみると、住めば都であります。初めは心配していた子どもたちも、英語は話せませんがインターナショナル・スクールに元気に通っています(なお、ホーチミン市には日本人学校がありますので、日本国籍者は通学可能であります)。

少し脆弱なのは余暇を過ごす選択肢が東京と比べれば少ないことですが、いろいろと工夫は可能であります。そして選択肢が少ない中で家族と工夫した時間を過ごせば、逆に東京でのシティライフにはない、家族のきずなが深まるような気もしています。


ベトナム進出を検討している企業へのアドバイスをお願い致します。

2010年は多くの日系企業様とベトナム進出検討というステージで出会いました。私の仮設は次のとおりであります。すなわち、次のポイントが意味することが分かれば進出検討は熟していると思われます。残っている個別イシューをつぶしていけば大丈夫であります。

(1)ベトナムの現地に視察に来ない進出検討は絵に描いた餅、(2)問題意識は質問に表れる(真剣に検討している企業様は質問の質が異なります)、(3)人的な問題が最も大きな比重を占める。

個別イシューでみると、ベトナム進出時の戦略や狙いは妥当なのか、検討ポイント(ベトナムのメリット・デメリット、自社との相性)、日本とベトナムの差異、ヒト・モノ・カネの目処と調達、進出タイミングなどであり、細かく見るといろいろな課題があります。そこには、日本と異なり、外部環境に関する情報が得られにくい・得られたとしても信憑性やばらつきがあるという要因も大きく影響しております。

そして、既にグローバルに進出されている企業ならまだ良いかもしれませんが、約1/3の企業はベトナム進出が初めての海外進出(すなわち自社のグローバル化)という壁もあります。私自身もそうでしたが、意思決定が難しいことは良く分かります。すなわち、内部要因も課題になってきます。実際に現場・現実・現在ということに基づかず、日本的な常識で判断することはリスクもあります。その意味で(3)で触れた人的な問題というのは、ベトナム側だけの要因ではなく、日本側に起因することもあったりします。

まず進出検討時に、(日本とは異なる)ベトナムに来て、現場・現実を踏まえた検討となっているかどうか。そして専門家等に自社の検討がぶれていないか妥当性を確かめることも大事であります。専門家の活用は、最も時間的にもコスト的にも合理的な検討方法だと自信を持っております。また、私はそのような期待に応えられるプロフェショナルでありたいと思っております。


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