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サンプル記事②:ベトナム進出企業「JUKI VIETNAM」

企業: JUKI VIETNAM Co., Ltd   

回答者: 角田真治社長   

インタビュー日: 2010年12月21日   

角田社長


御社について教えて下さい。  

弊社はJUKIという工業用ミシンメーカーの100%出資のベトナム法人です。1995年1月にホーチミンで設立致しました。資本金はUS$5,000,000です。弊社では工業用ミシンの部品加工事業、ならびに在ベトナム企業を対象としたロストワックス事業を行っております。ベトナムでは珍しい多品種少量工場で、一貫生産をひとつの強みとしております。

日本人は私を含め4名います。昔から活躍してくれているベトナム人の取締役を含め、複数のベトナム人マネジャーが日本語を話すことができるため、日本語でのミーティングも可能です。皆さん、入社当初はあまり日本語が上手ではなくても、仕事を通じて上達してくれています。

現在の従業員は約1,100名で、男女比は男性85%・女性15%です。設計図を読んだりする工学系の仕事が多いため、男性比率が圧倒的に高くなっております。また弊社では女性の離職率が高く、これが男性比率の高まるもう一つの要因です。

弊社では入社3年で正社員に登用しており、正社員になった方々の離職率は極めて低いです。ベトナムでは1年たった段階で契約を延長するかどうか判断できる制度もあるため、正社員にする前にその方の能力をじっくりと見極めたうえで判断できます。

弊社ワーカーの平均月給は、皆勤手当・住宅手当・通勤手当・技能手当などを含め約1万円です。現時点での弊社の平均残業時間は約3時間で、残業すると時間あたり50%上乗せとなります。ベトナムでの賃金は「ガラス張り」と言われており、誰がいくら貰っているか、皆さん知っています。これは賃金テーブルを労働組合で合意しているためでもあります。

JUKI Front TTC


角田様について教えて下さい。

私は一年前にJUKIベトナムの社長として赴任してきました。ベトナムに来る前はJUKI新潟工場の社長をやっておりました。

ベトナムでは月曜日から土曜日まで仕事のため、一週間のうち6日間は日本人4名と同じ食事をとっています。料理人も常駐しているため、ホテルのような美味しい料理が毎日食べられます。

唯一休みの日曜日は、趣味の食べ歩きをしています。朝食・昼食・夕食に加え、カフェなども入れると、日曜日だけで5食をレストランやカフェの新規開拓に使っています。そのため、食事にまつわることであれば、ある程度ベトナム語も分かるようになってきました。これにより、社員の結婚式などでもテーブルを周ってベトナム語で話しをすることができるようになりました。まだベトナムに来て1年ですが、既に80店ほど新規開拓しているため、日本から来たお客様を色々な店にお連れすることができます。


ベトナムの魅力と問題点を教えて下さい。

ベトナムは、とても親日的な国ですね。ベトナム人は日本人よりも親しみやすいと感じることもあります。そのうえ食事も美味しいので、とても過ごしやすい国だと感じています。

時間にルーズだと感じることもありますが、ベトナムの文化だと思って、その文化に合致したやり方を心がけています。日本に行ったことがある方は「時間にルーズ」ということがどういうことか理解できますが、ベトナム以外の文化を見たことがない方々は、いくら注意しても経験したことがないため実践できません。それはある程度しょうがないことだと考えています。

ベトナムの問題点は、ベトナム全体で労働力が不足していることです。弊社でも人材確保のために、採用基準を下げて人材の採用をしているため、入社したての従業員の離職率が更に高くなってしまいます。それを緩和させるためにも、弊社では社員に友人を紹介してもらうプログラムを実施しています。弊社では社員紹介で入社するワーカーの割合が約20%で、そのプログラムを通じて入社した方々の離職率は総じて低くなります。紹介してくれた社員には、約400円をボーナスとして渡しています。

また、電力供給が不足していることも大きな問題です。弊社が入る輸出加工区は電力供給が安定していて停電がありませんが、他の工業団地やオフィスビルだと当たり前のように停電しています。

ベトナムは2020年の工業立国を目指していますが、まずは化学産業・鉄鋼産業の本格稼働が求められています。日本が誇る高度な部品加工などの裾野産業の育成にベトナム政府が本腰を入れるのは、その次の段階になると思われます。




ベトナム進出の経緯を教えて下さい。

1995年に超円高となり、JUKIでは海外進出を検討致しました。多くの企業が中国に拠点を設ける中、ひとつの国だけだとカントリーリスクが高いため、中国進出とほぼ同時期にベトナムへ進出しました。今では多くの日系企業が同じ輸出加工区で操業していますが、当時日系企業では初めての進出でした。


ベトナムにおける御社の課題はなんですか?

優秀なベトナム人の中間管理職を確保することがひとつの課題です。現場上がりで課長になった人材と、事務職で課長になった人材では、強み・弱みが異なります。どちらの課長もバランスのとれた優秀な管理職に育成していきたいと考えています。

また、ベトナムでの現地調達率が低いことも、大きな課題です。現時点ではベトナム国内で調達するよりも中国から仕入れた方が安値になることが多々あります。そのため原材料を中国と日本から輸入しているのが現状です。


現在、どんな製品やサービスを必要としていますか?

技術と設備を持っている日本の裾野産業に、是非ベトナムへ進出して欲しいですね。具体的に言うと、マシニング・旋盤・フライスを持っている応用力の高い企業に、部品加工を発注したいと考えています。2010年10月にホーチミンで行われたJETRO主催の部品調達展示会に参加しましたが、ベトナム企業の技術レベルはまだまだ不足していると感じました。既にプレスなどの部品加工や梱包で使用する間接材などは、在ベトナムの日系企業に発注することにしました。今後は特にバネ・樹脂・鋳物などを現地の日系企業から調達したいですね。それ以外にも、ビニール袋・名盤・シールなどもベトナム国内で調達して、現在10%にもならない現地調達率の向上を図りたいと考えています。

Product 1


ベトナムにおける御社の今後の方向性を教えて下さい。

今はJUKI本社からの需要に追い付けていないのが現状です。そのため直近の目標は、JUKI本社への供給を安定させることです。

将来的には他社への供給も増やしていきたいと考えています。現在中国でモノづくりをしている企業が「品質を安定できないため、中国を撤退してJUKIベトナムに発注したい」というニーズも出ています。

Product 2 Product 3


ベトナム進出を検討している企業へのアドバイスをお願い致します。

優秀な現地人社員を見つけられるかどうかが、成功の鍵となります。人材を登用する際には賃金だけではなく、人柄や経験を見ることが大切です。特に優秀な中間管理職の確保がとても重要ですので、頑張ってください。

色々と不安な面があり決断に躊躇する気持ちはとても理解できます。トップの「何が何でもやっていくんだ!」という強い意志がその不安を超えられなければ、海外進出は止めた方が良いでしょう。その決断こそが、一番重要だと思います。

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